死と、役割からの解放
母が亡くなり1カ月ほど経った。
「家族」という枠で言うと、メンバーが一人減ったことになる。
そこには新しいバランスがあり、メンバーそれぞれが以前とは異なる新しい振る舞いをしているように見える。
母が亡くなる前と後で、どうバランスが変わったのか。
例えば父は、母がいなくなってからの方が、のびのびしているように見える。
私自身もそうかもしれない。
私の今までの選択・行動は、心のどこかで母に遠慮し、母の顔色を伺いながら、常に母を超えないようにしてきた気がする。
極端にいうと、母よりお洒落をしてはいけない、母より美しくなってはいけない、母より幸せになってはいけない、などなど。
母が実際にどう思っていたかは知らないが、母の満たされない思いを言外に感じ、母からの嫉妬を避けることが私の行動指針になっていたのではないか。そのために自分の行動を制限してきたのではないか?
私は、両親という夫婦のドラマに巻き込まれていたように感じる。
母が亡くなったことで枠が外れ、解放された。
自分とは関係ない悪夢の中で役を与えられ、登場人物の一人としてその夢の中で生きることを強いられていたような感覚。
私はこれから、私の純粋な選択・行動をする。
そのことが楽しみ。